2011年 07月 10日
7/10 |
長い期間だと思っていた大宮盆栽美術館での展示も大詰めを迎え、13日で終了となる。今回の展示では本当に様々な方のご協力を頂いた。僕にとってこれほど多くの人を巻き込むことになったプロジェクトは、自身の経験としても初のものだったと思う。その意味で、今回の「FORM」に関してはこれがひとつのはじまりとなることのように思える。
また、13日の展覧会終了を受けて、14日より、写真集『FORM』の書店販売が開始される。
14日からは青山の青山ブックセンター本店にて写真展「FORM」を開催致します。
九月からは一ヶ月に渡り新宿のBEAMS、B gallery及び、広尾のEMON PHOTO GALLERY、ミッドタウンにて行われるTOKYO PHOTO2011などで「FORM」を発表していく予定でおります。より多くの方に、今回の作品を見て頂ける機会となるかと思います。
『FORM』に関しましては、先日朝日新聞の書評、<視線>にて美術家の森村泰昌さんにもご紹介頂けました。
ーー
(7/3 朝日新聞朝刊 本文掲載)
大和田良は、本年度の日本写真協会新人賞を獲得した若い写真家である。風景、ポートレイト、
抽象的イメージなどを、研ぎすまされたナイフのような切れ味で表現し続けて来た。
そんな大和田が盆栽の写真を発表した。さいたま市大宮盆栽美術館にある盆栽の銘品が被写体である。
盆栽好きが嵩じての結果ではない。大和田は盆栽を通じて、いかに写真の特性を最大限に引き出せるかを追求したのだと思われる。
写真とは、なにかがそこにあってはじめて成立する表現ツールである。盆栽にカメラを向けると、確実に盆栽はカメラに写る。この記録する力無しに写真の魅力は語れない。しかし同時に写真はある種の絵画でもある。記録することから解き放たれたフィクションの世界にも通じているわけで、この写真のもうひとつの特性にも大和田は強く関心を寄せる。
たとえば盆栽を撮る時、大和田は巧みなトリミングや照明によって、盆栽の鉢が目立たないように工夫する。すると被写体の樹木のサイズ感が希薄化し、小型の盆栽が大樹であるかのようにも感じられてくる。そして背景に意図的にしつらえた金屏風の効果も相俟って、まるで我々は、見事な障壁画を鑑賞しているかのような錯覚に陥ってしまう。この、ドキュメントでありつつ、いつのまにかフィクションとしての絵画にもつながって行くという、いわば写真の「構造」を、大和田は盆栽を通じて明快に示す。
「写真とは何か」 と真摯に問い続けてきた作者によってなされた、これは写真世界にも盆栽芸術にも
一石を投じる試みである。
森村泰昌(美術家)
ーー
写真集に関しましてはアマゾン等でもお買い求め頂けます。
http://amzn.to/ihQ0ZB
現在西武渋谷店において開催中の写真展「Sound of photography」におきましては二点の作品、「Worlds of ROUND」より一点、月を撮影した作品を一点、展示中です。
また、13日の展覧会終了を受けて、14日より、写真集『FORM』の書店販売が開始される。
14日からは青山の青山ブックセンター本店にて写真展「FORM」を開催致します。
九月からは一ヶ月に渡り新宿のBEAMS、B gallery及び、広尾のEMON PHOTO GALLERY、ミッドタウンにて行われるTOKYO PHOTO2011などで「FORM」を発表していく予定でおります。より多くの方に、今回の作品を見て頂ける機会となるかと思います。
『FORM』に関しましては、先日朝日新聞の書評、<視線>にて美術家の森村泰昌さんにもご紹介頂けました。
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(7/3 朝日新聞朝刊 本文掲載)
大和田良は、本年度の日本写真協会新人賞を獲得した若い写真家である。風景、ポートレイト、
抽象的イメージなどを、研ぎすまされたナイフのような切れ味で表現し続けて来た。
そんな大和田が盆栽の写真を発表した。さいたま市大宮盆栽美術館にある盆栽の銘品が被写体である。
盆栽好きが嵩じての結果ではない。大和田は盆栽を通じて、いかに写真の特性を最大限に引き出せるかを追求したのだと思われる。
写真とは、なにかがそこにあってはじめて成立する表現ツールである。盆栽にカメラを向けると、確実に盆栽はカメラに写る。この記録する力無しに写真の魅力は語れない。しかし同時に写真はある種の絵画でもある。記録することから解き放たれたフィクションの世界にも通じているわけで、この写真のもうひとつの特性にも大和田は強く関心を寄せる。
たとえば盆栽を撮る時、大和田は巧みなトリミングや照明によって、盆栽の鉢が目立たないように工夫する。すると被写体の樹木のサイズ感が希薄化し、小型の盆栽が大樹であるかのようにも感じられてくる。そして背景に意図的にしつらえた金屏風の効果も相俟って、まるで我々は、見事な障壁画を鑑賞しているかのような錯覚に陥ってしまう。この、ドキュメントでありつつ、いつのまにかフィクションとしての絵画にもつながって行くという、いわば写真の「構造」を、大和田は盆栽を通じて明快に示す。
「写真とは何か」 と真摯に問い続けてきた作者によってなされた、これは写真世界にも盆栽芸術にも
一石を投じる試みである。
森村泰昌(美術家)
ーー
写真集に関しましてはアマゾン等でもお買い求め頂けます。
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現在西武渋谷店において開催中の写真展「Sound of photography」におきましては二点の作品、「Worlds of ROUND」より一点、月を撮影した作品を一点、展示中です。
by ryoohwada
| 2011-07-10 00:44