Keep your focus

11/30

高尾山に行ってみた。
これで何度目になるか、また懲りずに紅葉の写真を撮ることにチャレンジ。

結果、全く撮れず。ポストカードみたいな写真は撮れるんだけれど、自分の写真、というものは撮れない。

なぜか、ということを帰りに考察してみた。

1.紅葉には個人的な思い入れが無い。
2.全体的な色のトーンにいまいち統一感を感じられない。（結果、何が一番美点とされるのか判断できない）
3.ファインダーを覗いても、いつもあるはずの高揚感が無い。（つまり、興味が無い?）

まぁ、いろいろと理由は考えられるものの技術的なものなのか、精神的なものなのか、まだ僕には紅葉の美しさを見抜くレベルに達していないのだ、と思う。高校生が鳳凰堂見ても感動しないのと一緒だ。（中には感涙する特異な17才もいるだろう）
なんか、まだまだなんだろうなぁと思う11月最後の日だった。

家に帰り、家族でレモニー・スニケットの世にも不幸せな物語、を見る。
ジム・キャリーの演技は過剰な派手さがむしろ渋く、好み。
きりは、自分と半年くらいしか変わらないであろうサニーというあかちゃんを中心に見ていたようで、なにかアクシデントが起こる度に「あかちゃんがー！」と叫んでいた。「アー」とか「ダー」とか真似していた。弟か妹ができたら結構面倒見てくれるかもな、と思った。

11/28

午前中、現像処理、画像加工。
午後納品。
夜、池袋へ。

その後新宿、太郎くん、MIKIO SAKABEのみきおくん達と、
代官山へ移動し、ステラ。

テキーラを久しぶりに飲む。5杯目くらいでグラグラになり、帰宅。

なぜか家に帰ったら酔いが覚めて、ごみを捨てに行って、モモの散歩に。
The velvet under groundsを聞きながらペルノーを。

やっといろいろな事から解放された週末。
明日、明後日は仕事をせずに済みそうな気がする。

11/25

連休最後の日の夜、中学校の同級生（正確には小中一貫なので小学校も）たちと集まった。15年前のことを思いだそうと思うとなかなかうまくいかない。それは、ずっと思い出すことがなかった部分の記憶だからかもしれない。彼らと会うようになったのはついここ数年前からのことで、それまでは仙台での小中生活を思い起こすことなどなかった。そう思うと、高校も大学も、今思いだそうとすると細部のディテールは曖昧になっている。一部の景色が思い出せてもその周りは想うことができない。googleのストリートビューみたいに記憶の景色を辿れたらどれだけ面白いだろうか。

今日、高校の同級生と夜電話で話したのだが、途中で携帯の電源が落ちてしまった。エディ・スリマンの写真集が買いたいから探してくれ、と言われている途中だった。俺はあいつには絶対にアントワン・ダカタのほうが合っていると思う。最近、ホックニーが好きだとも言っていた。それならジョナサン・ボロフスキーも良いと言うのを忘れていた。携帯の電源が落ちなければ教えておきたかったのに。

夢をみた/ジョナサン・ボロフスキー

11/22

昨日、朝、現代美術館へ。Wallpaper*誌用撮影。イッセイミヤケ・CD藤原さん。とても良いロケーション。

その後青山へ。DAZED&CONFUSION誌撮影、アレックス・コックス監督。シドアンドナンシーは大学の頃何度か見た。監督自身はコープス・ブライドに出てくる人形の様な、一種独特の雰囲気を持った方だった。

終わってから代々木のイッセイミヤケクリエイティブへ。次期コレクションのプロダクトを借り、帰宅。インスタレーションを自宅で構築し、撮影。Wallpaper*は海外に行く度に買っていて、いい雑誌だなぁ、と思っていただけになんだか妥協できず難しい。

今日は、現像、画像処理をした後、仙台から上京した親父たちとご飯へ。きりが無茶苦茶嬉しそう。親父達が泊まるホテルへ揚々と帰って行った。

11/20

今日発売の雑誌「デジタルフォト」では連載A letter to wordsworth.を。
科学博物館での撮影のことを書いています。
（写真は掲載とは別のものです）

同じく発売中の雑誌「Cut」では、巨匠ジョン・ウー監督を撮影。スタッフからパパと呼ばれているあたり、さすが。レッド・クリフも第一部、第二部と楽しみです。

今日は朝からタスクをモデルに撮影、その後うなぎを奢り、自然教育園へ。まだ紅葉になる前の黄色い葉が目立つ。この時期が秋では一番良いかもしれない。真っ赤に染まった紅葉が増えると、なぜか写真が撮れなくなる、と同時に気持ち悪くなる。

一青窈/はじめて

19日発売、一青窈さんの「はじめて」のカバーワークを制作しました。
中に3つのアートワークが入っていますので是非。

今回、一青窈さんから直接指名を頂き、かなり自由に制作させてもらいました。一青さんがカンボジアの子供達と描いた絵を解体し、僕の作品とコラージュして制作したものです。

ADは、中島英樹さん。
「カンボジアに学校を建てよう」プロジェクトのテーマ曲になっています。
武道館のライブの次の日なのに全く疲れを見せずに打ち合わせでは熱くテーマについて語ってくれました。その心意気にも当てられ、とても集中した制作になりました。

一青窈・はじめて

11/15

朝、どこへ行こうかとひとしきり話し合った後に科学未来館へ。きりはブラジル展で完全に心が折れたらしく、常設は見ず。僕は一人でカミオカンデの模型や宇宙ステーションの居住区を見て回った。

家に帰ってから渋谷へ。ロンドンから完全帰国したASASHIさんおかえり会へ。きりもなかなかご機嫌だった。

話は全く変わり、僕はモーツァルトの中ではピアノ協奏曲の21番がかなりの上位に食い込むのだけれど、写真のボリス・ベレゾフスキの演奏は素晴らしかった。他にも、アイネ・クライネ・ナハトムジークなんかもとても良い空気感で。

http://jp.youtube.com/watch?v=_HOyPO5GGis&feature=related

11/14

昨日は、イギリスのある編集部の依頼でイッセイミヤケデザインオフィスへ。打ち合わせの後、現代美術館へ。展示をいくつか撮影後、恵比寿と目黒のワインバーをいくつか。なぜかどれも特異な理由で開いてなかった。こんな日もあると思いながら帰宅。

今日、午後に高輪の催事へ。
何か別の世界を見たような気分になる。何百万という単位の絵画が売れていく様子を見る。

日本庭園を歩きながら考えたことは、「"比較"という対象から逃れられるものはこの世には無い」ということだ。なぜそのようなことに行き着いたのか、というのはあまりにも説明が長くなるので省略するが、僕が今日考えたなかでは、評価や基準、存在するということそのものが"比較"によって成り立っているように思える。
それは、均一的に作られたはずの工業製品にも言えることだ。発生した場所を一歩離れれば、どこに出荷された、誰の手に渡った、その他様々な因子が重なり続ける。
全てが比較によって位置付けられ、その細分化によってヒエラルキーのようなものが形成されると考えれば、いろいろなことに対する考え方がシンプルになるような気がした。
例えば、写真家という立場を分析すればどうか。写真を撮るという人間を類型的に並べていった場合、そこに宿る一人一人の差異とはなにか。その差異こそがオリジナリティに繋がっていくものであり、それを評価する人がいるのかという問題に収束される。違いというものが事物を輝かせるものか、貶めるものかというのは、もしかしたらもっと理解しやすい現象として表すことが出来るのかもしれない。

今のところ、こんな分かりにくい文章でしか伝えられないが、僕は今日「比較」というものが自分のコンセプトの根底にあるものだと気がついたように思う。ROUNDも、文字の作品も、ワインの作品も、ランドスケープも全て僕がやっていることはミニマルな表層の裏にある、細かな差異を見つめるものであると思う。

それが、自分にとっての「美しさを分析する」という行為になっていくのだと思うのだ。

11/11

納品作業の合間に中目黒へ、グループ展を見に行く。
去年、僕がワークショップに訪れた教室の生徒達によるものだったが、予想よりもとても良いものだったように思う。それは、ちゃんと鑑賞することができるものだということだと思う。様々な展示を見てきた中で、習作というか、練習してます、というものを見せられても話すことは技術や、その他の、作品に関することに至らないことばかりになってしまう。その意味で、今回の展示は写真を感じ取ることのできるものに仕上がっているものが多いように思えた。中目黒のキャスパーズギャラリーで行われている。

ブログの左フレーム部分に、「Bookshelf」という欄を設けた。要は僕の本棚にある本のいくつかを載せているのだけれど、どうにも時間がかかりそうなので、読み物から羅列することにした。その内写真集や画集も載せていきたいと思う。たまには、書評というか、それに近い形でいくつかは紹介してみたいと思っている。

11/10

午前中、きりの保育参観へ。
割烹着を着てマスクを付けると、全く両親だと認識できない。なんか知ってる感じがする、と思って寄ってきても話しかけないと「やっぱ違うかも」みたいな感じで離れていく。朝から昼までのきりを観察する。皆マイペースで、突然歌い出したり、笑い出したり、秩序の全くない自由を感じる。

午後、ShINCの返送作業。終始「売れる写真と売れない写真」について話しながら。

昨日のワークショップや、その前の工芸大での授業。この何日間は写真のことを自分なりに考える数日間だった。その中で、「写真をどのように考えて作っているか」という質問が何度か出た。

それを全て説明するためにはかなりの時間を使わなくてはならない。ただ一言で述べられるようなものではないからだ。
少なくとも、「西洋美術史」「美学」「芸術学」「現代アート」「写真史」「写真技術」「写真芸術学」「アートビジネス」「アートマネージメント」その他諸々の分野に於ける様々な事柄について説明しなければいけない。こうなると、本を一冊書き下ろすような長文になると思う。

ただ、写真をメディアとした作家活動を説明するためにはそれだけの前提が必要ながら、一枚の写真を撮るための理由についてはもう少し簡潔に説明することができるかもしれない。

1.自分が撮りたいと思えるもの。
2.最終的に一般的な意味での美しさが表面的に表されるもの。
3.美術史上、もしくは記録として今現在やる必要があるのかどうか。
4.コンセプトと最終的なイメージのバランスが良いか。
5.写真でやる必要があるか。

というところに収束されるように思う。（あくまでも2008年今現在の自分に於いて）
この5点については、最も簡潔に言葉にした場合であって、やはりその意図を述べるには上記の前提を説明する必要がある。

何が言いたいのか、と言えば「なかなか複雑だ」ということだ。抽象的で曖昧。そこから抜け出すために勉強しているのだけれど、どんどん複雑になっていく。