Keep your focus

12/27

昨日は、近しい友人達を呼んで忘年会を。
自宅で開く忘年会は、ここ数年恒例の行事になっている。
特に何に気兼ねするでもなく、恋の話や写真の話や、仕事の話をする。僕はコミュニケーションが得意なわけではないので、こういう場で自分の好きな人たちに囲まれていると、飲み過ぎる。気づいたら朝だった。

今日はいくつかの公募へデータを送り、CVを書いたり、コンセプトを書いたりして過ごす。

スイスのエリゼ美術館の公募に通って以来、受賞することの見返りの多さに僕は海外のコンペティションにしか興味が無くなった。新世紀やひとつぼ展に、応募はしたものの全く引っかかりもしなかった僕が言うのはなんとも格好悪いのだけれど、日本のコンペは「選ぶ」ということに対して無責任だと感じる。写真家が写真家を選ぶシステム。受賞した後に得られる効果。批評家の不在。特に評論家の少なさは問題であるとなぜ皆思わないのだろうかと疑問に感じる。雑誌のインタビューや批評記事で見られるのは、「撮り始めたきっかけは?」「作品のコンセプトは?」「機材は?」。もしくはただただその作家を褒め称え、紹介する記事。批判的で疑問をぶつけるようなインタビューなど皆無に近い。新しい価値観を創造しているようなものに対して疑問が生まれるのは当然なのではないだろうか。例えば、ゲルハルト・リヒターのインタビュー集など、文中で言い合いになっているし、好戦的な会話が続いていく。そういう会話は、日本ではきっとメディアの裏側でひそひそとやられているのだろう。

ごちゃごちゃ言いながらでいいから、とりあえず海外にも目を向けて見ればいいのに、と思う。別にプラットフォームが日本じゃあないだけで、そのことについて「海外はー」とか「まず日本から」とか訳の分からない話をすることに、何の生産性も見あたらない。

ということで、締め切りの近いコンペティションをいくつか。日本のコンペみたいに、「未発表のものに限る」なんてセコいことはないので、がんがん出してみてはどうでしょうか。

WPA
http://www.worldphotographyawards.org

PGB
http://competition.thephotoaward.com/

PX3
http://www.px3.fr/

Masters
http://www.hasselblad.jp/masters.aspx

G+J Photo Award
http://www.guj.de/photoaward/en/der_wettbewerb.php

CENTER
http://www.visitcenter.org/

12/24

先日、科学未来館へ、全天型3Dプロジェクタ「ATMOS」のプレス試写へ。試写の前に館内の撮影を行い、ジオ・コスモスなどをファインダーを通して観察する。

ATMOSは3Dなので写真では伝えきれない。星空や宇宙の成り立ちを奥行きを持って表される映像は少なからず感動するものだったと思う。

今日は、夜サレジオ教会のクリスマス礼拝へ。初めて入ったけれど、素晴らしい建築だった。小さい頃も、高校も、プロテスタントの教会ばかりだったから、カトリック教会のミサは新鮮だった。キリもなんだか楽しそうにしていた。僕は宗教には全くの無指向なので、こういった行事は純粋に楽しむことにしている。

帰りにせっかくだから外食でも、ということでいくつか見て回ったが皆満席。例外的に寿司屋はがらがらに空いていたからクリスマスイブの夕食は寿司に。店内はきっと「予約」という概念に囚われない、無計画なファミリーばかりだったに違いない。

12/21

発売中の雑誌、

「CUT」
俳優カン・ドン・ウォン、映画監督ギレルモ・デル・トロ。

「デジタルフォト」
デジタルカメラの疑問特集のいくつかの記事、連載「A letter to wordsworth.」を。今回は東京の夜景に浮かび上がる東京タワーを撮影しています。

12/20

昨日、午前中工芸大で授業。
午後は恵比寿の三越で打ち合わせ、その後表参道へ。HIMAAさんの個展オープニングへ。

夜、中目へ行き、五味さんのセミナーに顔を出し、そのままShINC忘年会。五味さんに教えてもらわなかったら今の僕はありえなかった。未だに頭が上がらない。頭が上がらないもう一人は、工芸大の内藤明先生。

妹が帰国した。久しぶりに会ったが、髪が伸びていること以外はあまり変わらない。メルボルンで疫学の研究をしているらしいけど、あまり詳しいことはよく分からない。研究所のボスからだ、とワインをプレゼントされた。飲み頃の表が付いていたので見てみると、10〜15年後、となっていた。うち、セラーないんですけど。

今日、昼間キリを寝かしつけていると、ねこぢるのお面を付けたゆきちゃんが帰ってきて、「これ、今年のサンローラン」といって面のままいろいろ家事をしたり電話をしたりしていて、ゆきちゃんはおしゃれだなぁ、と思う夢を見た。

12/16

東京タワーを撮影するために六本木ヒルズへ。はじめてスカイデッキへ行ったが、あれだけ高い位置からオープンエアーで東京を見下ろすのは面白い体験だと思う。夜も行ってみたいけれど、きっと混んでるんだろうなぁ。

そのまま、インド現代美術展を見る。いろいろ思うところがあるのだけれど、うまく説明できない。面白い。日本も、日本人たる思いをもっと素直に絵に込める部分があったほうがいいのだろうと思えた。それは、日本人であることの唯一の武器で、オリジナリティだと思う。

家に帰り、引き続き英文ステートメント。といくつかのプリント、現像。

夜、きりを寝かせてから「Surviving PICASSO」を観る。フランソワーズ目線から描かれた作品。やたら長い感じはしたが、ピカソの名言集や伝記をある程度まとめて見るにはいい映画だと思う。マティスとピカソのやりとりは、映画だと分かっていても、なんとなく見入ってしまうところがある。

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今発売中のDAZED&CONFUSED JAPANではアレックス・コックス監督（シド・アンド・ナンシー、etc）を撮影。映画特集です。

12/15

土曜は渋谷西武の美術画廊の方々と、一緒に参加しているアーティスト達との飲み会へ。写真以外の分野のアーティストと話すのは、全く知らないアートシーンを見ているようで面白い。自分の表現を模索しながら描くということに真摯な態度であることはフォトグラファーと共通している。しかし、売るという意味でのアートシーンに常に近い位置にいる作家には、なにかフォトグラファーにはない切迫したものがある。僕が考える、特に日本のフォトグラファーの立ち位置は「売るってなに?まぁ、別に売れなくてもいいし。っていうかそもそも写真て売るもんじゃないでしょ」という姿勢が多いように思う。僕自身はそれは別に悪いことではないと思うし、それが日本の独特の写真文化と表現を支えているものだとさえ思う。ただ、僕はそういう姿勢では写真を捉えていない、というだけで。

ただ、そういった文化の中で良い作品が生まれる弊害に、やはりただの自己満足のようなものが多いのも日本の特徴だろうと思う。広告とアートの境目さえ理解できず、ただ「アート」というものが目に見えない敵のように感じて挑んでいるフォトグラファーは、僕の思うかぎりまだ多いように思う。（僕が分かるかといえば、それも違う。まだ勉強しないといけない）

今日は、一日英語のステートメントをいくつか書き、その後仙台と、東京で撮影したいくつかのRAW現像。大量の処理を待っている間に物を整理していると、ゼラチンフィルターが大量に出てきた。LEAFを使うようになって、厳密なカラーバランスが必要なものはほとんどデジタルで撮影するようになってしまった。
ふと思いついて、昔の僕の常用フィルムのいくつかを含めて撮影しておこうとフィルムのストックを漁る。もう多分撮影はできない、VerichromeとKodachromeの120フィルム。どう撮ろうかと考えながらゼラチンフィルターを箱ごとアロンアルファでくっつけながらオブジェを作っていたら夕方になってしまった。

夜はとても寒い。きりは帰りの自転車でずーっと大声で歌っていた。自分も大声で歌ったら寒さが消えるだろうな、と思えた。「A,B,C,D,E,F,G！」と同じ部分を繰り返しているきりを見て、今の子供は英語の歌を覚えられるのか、と思った。

12/13

コンテンポラリーアートフェア
シブヤ西武B館8階 美術画廊
12/9(火)～12/21(日)
10:00～21:00

今、渋谷西武にて、アートフェアに参加しています。World of ROUNDから3点。
今日、土曜は18:00くらいから在廊しています。

日本画、立体、メディアアートなど様々な分野の若いアーティストが参加していますので面白いと思います。是非。

渋谷の西武では来年二月には個展を行う予定になっています。

12/8

仙台に来る度に、こんなに寒かったっけ?と思うのだけれど、今回は本当に寒かった。雪は降っているし、夕方になると凍えそうになる。夜、写真を撮っているとバッテリーの減りも早い。

きりは仙台での生活が結構楽しいらしく、ご機嫌だ。きっとあんまり怒られないからだろう。その分、甘えて泣くことも多い。

今日は泉ヶ岳へ。もう雪がかなり積もり始めていた。この山は、僕がいた高校の卒業生には忘れられない場所の一つだと思う。20キロ弱離れた高校からこの山までのマラソンが年に一度あったからだ。走る奴もいれば、ゆっくりと歩いていく奴もいたし、途中の友達の家で一通り遊んでからぎりぎり見つからない程度のところまでタクシーで向かう者もいた。僕は一度だけ本気で上位を狙って走ったことがあった。後輩に、「大和田さんて走ったりすることあるんスね」と言われたのを憶えている。高校の卒業生の先輩達には、漫画家の荒木飛呂彦さんや、写真家の平間至さんがいるが、どうだったのだろう。平間さんには会う機会もあるだろうからそのうち聞いてみよう。

12/6

仙台に帰り昨日の夜はまた理学研究でウィーンに行っている同級生と飲んだ。なんの研究をしているのか、ということについて延々と話し、なんとなく概要が掴めたような気がする。細胞はきれいだと言っていた。

今日、早朝から原稿書き。きりを見てもらってひたすら資料と本とMAC。実家の机で勉強していると受験の時のことを思い出す。今思うと大変だったんだか気楽だったんだか分からない。

午後、MACの電源が全く充電されなくなったのでMac storeへ。通常5500くらいある充電容量が85くらいまで減っていた。そりゃあ充電されないだろう。交換して帰る。

夕方に仙台に新しくできたアウトレットへ行ってみる。Brooks Brothersへ行くとジャケットが一万円とか、パンツが二千円とか、デザインも基本的なアメリカントラッドで悪くないのにたたき売られていた。僕は悩んだあげくコートを買ったのだけれど、それは結構高かったので、やっぱり本当に欲しいと思えるものはそんなに割引になってないあたりが駆け引きの妙なのだろう。欲を言えばラルフローレンも入っていてくれればもう少し比較しながら検討できるのだけれど。APCも結構安かった。サープラスがさらに安くなっていた。

泉のあたりはイルミネーションが点々としていて、寂しい感じもありつつ写真には良いかもしれない。明日あたり夜にでも三脚を持っていってみようかと思っている。異常にきれいに整備された街は、違和感があって面白い。

12/4

ゆきちゃんが仕事でパリに行ってしまったから、昨日からきりと二人きりの生活をしている。
思っていたよりはきつくないのだけれど、なんとなく昼間仕事をしていても何か心に引っかかるものがある。今日は何を食べさせるか、家事はきりが帰ってくる前に終わらせないといけないから〜時までには帰れるようにしよう、とか。そんなことがぐるぐるしている。

幸い今は結構落ち着いていて、いくつかの原稿を週明けまでに仕上げる必要がある程度だから、どうにかなっている。が、やっぱりずっと二人はかなり根性が必要なので急遽金曜の夜からは仙台に帰ってどうにかこの重圧を親父達にも分け与えようということにした。

そういえば、モモがきりと遊んでくれるのがとても助かる。二人できゃーきゃーギャンギャン言ってじゃれていた。1時間くらい。よく飽きないものだ、と不思議だった。数メートルを二人で鬼ごっこ的な往復をしているだけなのだ。その後はGRで一生懸命モモを撮影していた。が後からみたら壁やカーテンや、きりの足しか写ってなかった。（あと、指）

散々騒いで、二人は突然倒れるように寝てしまった。こうなると、起こしたくなるから不思議だ。（でも起きたら大変そうだからやめとこう）